パラリンピック特別企画2~スーパースター・パトリックアンダーソン~その2

二回目の本日もパトリック・アンダーソンについての記事の訳を載せていきます。

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原文(http://www.paralympic.org/feature/canada-s-anderson-world-s-best)
(2012.6.15掲載)
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Is Canada’s Anderson the World’s Best?
カナダのアンダーソンは世界一なのか?

おそらくどのプレイヤーに尋ねても、カナダのパトリック・アンダーソンは
これまでの車椅子バスケの歴史においてベストプレーヤーの一人であると答えるだろう。
パトリック・アンダーソンはこれまでのパラリンピックの試合において、1試合平均20.7得点を挙げている。
しかしそれはスタッツに書かれたただの数字だ。
そのカナダ人は”間違いなく史上最高のプレイヤーであり”車椅子バスケの発展のために、
ただシュートを入れるということをはるかに超えることを成し遂げた。

彼の敵の誰かに聞いてみるといい。
「パトリック・アンダーソンはこの競技においては、ゴルフ界のタイガーウッズのようなもの。」
アメリカの車椅子バスケ代表チームキャプテン、Paul Shulteは言った。
「パトリックは、オールラウンダーだ。彼はインサイドにもアウトサイドにも行けるし、体も大きい。
NBAでいう背が高いが、素晴らしいボールハンドリングと得点能力、ゲームメイクの力を持った選手だ。」
「彼はオールラウンドプレイヤーだ。もしも何もないところから車椅子バスケットボールプレイヤーを作り上げたかったら、パトリック・アンダーソンをつくるだろう。」

アンダーソンは、ロンドンの開会式のちょうど1週間前に33歳になるが、
音楽活動を行うため、バスケから3年離れたのち、昨年復帰した。

彼は今、ロンドンで3度目となるパラリンピックの金メダルを勝ち取り、2008年の北京パラリンピックでは銀メダルに甘んじなければならなかったが、再び表彰台のトップに戻るべく挑戦している。

アンダーソンは1997年から代表チームの一員となり、
パラリンピックでは金メダル2つと銀メダル1つ、2006年の世界選手権での金メダルを獲得している。
背の高さと元来の頑強さで、エドモントン生まれの彼はほとんど車椅子バスケをやるために生まれてきたようだった。
彼は飲酒運転の車にはねられ、両足の膝から上を失って1年後のちょうど10歳の時、競技を始めた。
「僕はラッキーだった。ほぼ同じ長さで両足を失い、両腕は長く成長したんだ」アンダーソンは言った。
「それに、Bruce、Jeff、Frogなど、
僕の中の車椅子バスケのそれぞれの要素を構築してくれた素晴らしいコーチたちに恵まれた。
だから僕は偏らなかったんだと思う。
僕の弱点はとくどきふてくされて、ときどきチームメイトにむっとしてしまうことなんだ。
普段は同時には起きないけれどね。」
彼はスレッジホッケーや車椅子テニスもやってみたそうだが、
いつもスピードの速い、アグレッシブな夏の団体競技をやりたいと思ったそうだ。

彼は数回のパラリンピック、パラパンアメリカン大会、世界選手権などの国際舞台で10年以上の経験がある。
彼はその多くの大会で、まさにスターであった。
「そういうことを頭に入れないようにしているけれど、うまくいかなくて。」
アンダーソンは彼の周囲に作られた拡大された像について言った。
「それはうれしいけれど、でも正直言って、本当にずば抜けたプレイヤーがいつか出てくる。
願わくばすぐに。見ていて面白いだろうから。」

活気づいたアンダーソンは、ロンドンでしっかりとカナダを支えるだろう。
チームとしてはいつも一緒にトレーニングができているわけではないけれど、
今週初めにイギリスで行われた「コンチネンタルクラッシュ」でチームを不敗に導いたのだから。

「去年はほとんど一人で練習をしていて、時にチャレンジングであったけれど、でもよい計画を立てなくてはならなかったし、それを続けていかねばならなかった。」
アンダーソンはコンチネンタルクラッシュでの勝利の後言った。
「その効果が出始めている」

Bo Hedges、Dave Durepos、Joey Johnson、そしてDavid Engとともに、
9月8日に行われるノースグリニッジアリーナで金メダルを取るために、
ロンドンでアンダーソンの周りにはすべてのサポートがあることだろう。
「よい感じになってきている。」とアンダーソンは言った。
「才能と経験に加えて、キャプテンのBoとDaveはトレーニングにおいて手本となっている。」
唯一の問題は、アメリカ、オーストラリア、イギリスがこれまでの中で最も経験のあるチームを形成してきていることだろう。

「この3ヶ国すべてはおそらく北京の時よりも強くなっている可能性がある。」とアンダーソンは言う。
「でも自分たちの試合にあまりにも集中しているので、もっと録画映像を見なくては。」
ベテランの強いリーダーシップを引っ提げて、カナダは確かにこれら3か国を倒す術を全て持っている。

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ここで書かれているオーストラリア、アメリカ、イギリスの代表チームはベテランにしっかりとした安定感ある。
チームとしても円熟した状態になってはいるが、そこに新しい世代が加わった理想的かつ最強ともいえる布陣。
そこにどのような形でカナダは食い込むのか、または打ち破ってくれるのか。
時代の転換期にあるロンドン大会に注目したいと思います。

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ABOUTこの記事をかいた人

Jキャンプスタッフ、広報担当 2007年からNO EXCUSEを撮影し始め、車椅子バスケットボールに関わり始める。 Jキャンプ2008に撮影ボランティアで参加し、その後スタッフになり、 チャンスがあれば海外大会への観戦・取材にも飛んでいく。 【2008年・中国】北京パラリンピック 【2010年・中国】広州アジアパラ競技大会 【2011年・韓国】ロンドンパラリンピックアジア・オセアニア地区予選 【2012年・イギリス】ロンドンパラリンピック 【2013年・アメリカ】全米大学車椅子バスケットボール選手権大会